チーム未完成のみなさん、シンガポールのアートブックフェアどんな感じでした!?~SINGAPORE ART BOOK FAIR 2018 & たのしい街歩きのお話

アジア最大規模のアートブックフェア「TOKYO ART BOOK FAIR」。今年は来年に向けた準備期間となり開催の中止が発表され、残念に思った方も多いはず。そんななか、アジアのほかの国のアートブックフェアは元気に開催中らしい、ということで、今年6月にシンガポールで開催された「SINGAPORE ART BOOK FAIR」のレポートが届きました! ALWAYS楽しげ&おしゃれ&おもしろ謎のアート集団「チーム未完成」のみなさん、よろしくお願いします!

はいは〜い! こちら現場のチーム未完成でーす(もうとっくに帰国してますが)。

私たちが何者かを簡単に申し上げますと、しをりん、ゆりしー、ぴっかぱいせん、げっちゃんの落ち着いた大人の女性4名で、主にパン(超熟6枚切りオンリー)を飛び道具に、写真を撮ったりグッズを作ったり、最近ではときにMVなんかも制作させてもらったりなど、やればできる精神でなんとかやってるおままごと集団です。

そんな私たちの活動のきっかけはZINEを作り、2014年にアジア最大級のアートブックフェア「TOKYO ART BOOK FAIR(以下、TABF)」へ出展したこと。それを皮切りに、調子に乗っていろんな活動を始めたこともあって、以降のTABFには例年出展しており、去年は初の海外アートブックフェア、韓国・ソウルの「UNLIMITED EDITION(以下、UE)」にも出展しました。

そして、私たちにとって2度目の海外アートブックフェアとなったのが、6月29日から7月1日にかけて、シンガポールで開催された「SINGAPORE ART BOOK FAIR(以下、SGABF)」。

アジアのアートブックフェアというと、ソウルのほか、上海の「UNFOLD」なども大変賑わっているそうなのですが、すっ飛ばして突如シンガポールまで行ってみたことに、取り立てて深い理由はなく、ソウルや上海よりも日本で手に入る情報が少ないことになんとなーく惹かれ、羽田からシンガポール航空で、およそ7時間ほど飛んで行ってきました。

シンガポール航空では、緊急時の諸注意が、シンガポールの街中のあちらこちらを機内の状況になぞらえて説明するという観光スポット紹介も兼ねた動画が流れるのですが、凝りすぎてて内容が頭に入ってこなかった。

SGABFは、「ギルマン・バラックス」というエリアにある「南洋理工大学シンガポール現代美術センター(NTU CCA Singapore)」が会場。「ギルマン・バラックス」は英国軍の旧軍事用兵舎を改装した場所で、NTU CCA Singaporeのほかにも、複数のギャラリーやカフェなどがエリア内に点在しているシンガポールのアートスポットとのこと。

シンガポールのいわゆる中心地からは少し離れていて、米朝首脳会談が行われたセントーサ島にほど近い南側のエリアに位置しているのですが、とはいえ国土の広さが東京23区程度というシンガポール。私たちが宿泊していたブギスというエリアからもタクシーを飛ばすとあっという間です(そしてタクシー代が大変リーズナブルでありがたい……)。

「ギルマン・バラックス」に入ってからは、SGABFロゴのテープで会場までの道のりを示す矢印があちらこちらに。

エントランスにて。

会場内は、メインのスペースと、小さめの「ZINE ROOM」というスペースから成り立っていて、TABFオールドスクーラーな方はご存知かもしれませんが、規模感的には3331 Arts Chiyodaで開催されていた初期の頃のTABFに近いような感じ。

初日こそ、金曜の日中から開催ということもあり、出だしの人並みはぽつりぽつり、というところでしたが、土日は、結構な人出。

地元・シンガポール以外からの出展者は、インドネシア、香港、タイ、ベトナム、マレーシアなどやはりアジア圏が中心で、日本からは私たち以外にも5組が。去年も参加されたというTWELVEBOOKSさんによると、昨年は日本からの出展者はTWELVE BOOKSさん含め2組だけだったのだそう。


TABFに参加すると、東京中のおしゃれな人が集ってるんじゃないかっていうくらいに、出展者、お客さんともに、日常的にはなかなかお目にかかれないほど行く人来る人おしゃれさんばかりだなあと毎年思うのですが、その印象はシンガポールでも変わらず。特にシンガポールにいる間、ブックフェア以外の時間は好んで下町エリアばかりをうろうろしていたせいで、普段着オブ普段着な服装のみなさんにしか出会っておらず、会場に集まる若くおしゃれな人たちが大変眩しかったです。

お客さんと話していると、時折日本のサブカルチャーに異様に詳しい人がいて、シンガポールで地下アイドルをやっているという女の子から、Maltine Records、Seiho、Sugar’s Campaign、SUEKKOLIONS、lyrical schoolなどのワードが飛び出したときはなかなかびっくりしました(語学力が足りていたらシンガポールの地下アイドル事情についても深掘りしてみたかった……)。

会場に並ぶアイテムの傾向が東京とは少し異なることも印象的でした。TABFをはじめとした、日本のカルチャー系マーケットイベントでは、おなじみのアイテムのステッカーが、SGABFでは私たち以外に売っている出展者がほぼいないのです。理由はわからないのですが、ステッカーを貼るカルチャーがあまりないのでしょうか……?

逆に人気だったのがステッカー以外の紙物。シルクスクリーンなどによる、凝った印刷のポスターを売っている人が多く、私たちのブースでもまず真っ先にポストカードを手にとる方が多いのも、東京や韓国との違いでした

チーム未完成のブースにて。

シンガポールは、中華系、マレー系、インド系の方々を中心にした多民族国家のため、街中を歩いてもそれぞれのルーツによって街のカラーが驚くほどがらりと変わります。あらゆるバックグラウンドを持つ人たちのなかで、食べものを雑に扱っている風な私たちのZINEって大丈夫なんだろうかと、少し心配していたのですが、パンが飛んだり跳ねたりしている光景のシュールさは万国共通らしく「This is a super cool bread photo book!!」とか説明すると笑ってくれる方がたくさんいたため、大変ほっとしました(粗雑な英語を笑われていたのかもしれない)。

2013年にスタートしたということで、まだまだ小規模ながら、来場するお客さんの熱気は東京やソウルに負けずおとらずだったSGABF。今くらいの親密な規模感も魅力的ですが、きっとこれからも発展していく予感を感じさせるイベントだったのでした。

主催者のレネさんからの挨拶に、歓声があがる。

仲良くなった出展者のみなさん。なかには日本人とのハーフで、日本語が少し話せる子もいました。

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